事実は小説よりも奇なり
最近、「アメリカン・クライム・ストーリー」というドラマを見ました。
このドラマは、実際に起こった事件を忠実に再現したもの。
「ゴールデングローブ賞」や「エミー賞」も数多く受賞した、話題作です。
実際に起こった有名な事件ということで、その結末を知りながら見るというのは普通のサスペンスドラマとは異なる点ですが、「こんなことが実際に起きていたのか!」と驚かされる展開が山のようにあり、まさに『事実は小説よりも奇なり』という言葉をひしひしと感じる作品でした。
「アメリカン・クライム・ストーリー」は、1シーズンで1つの事件を題材に扱う、シーズン完結型のドラマ。
すでに日本でも配信されているシーズン1は、アメリカのフットボール選手O.J.シンプソン氏に、元妻とその恋人を殺害した容疑がかけられた事件を描いています。
ちなみに、今後製作・配信されるシーズンでは
シーズン2:ファッションブランド「ヴェルサーチ」の創始者ジャンニ・ヴェルサーチ殺害事件
シーズン3:巨大ハリケーン・カトリーナに破壊された病院に隠された真実
シーズン4:元大統領ビル・クリントンとモニカ・ルインスキーのセックススキャンダル
についてが描かれる予定とのことです。
取り扱う事件の種類も様々ですが、とにかく世界中を震撼させた大事件であることは事実。
特に、海外で起きた事件は日本では詳細に報道されないことも多いので、このドラマを通して知ることも多そうです。
シーズン1「O.J.シンプソン事件」〜ネタバレなしで紹介〜
ということで、シーズン1の「O.J.シンプソン事件」をあまりの面白さに一気見してしまったので、ネタバレなしで紹介したいと思います。

まず、O.J.シンプソンについて。
彼は1970年代に活躍した元アメフト選手で、数々の最多記録を打ち立てた人物。引退後には殿堂入りも果たし、黒人アスリートとして初めて大企業のテレビCMにもきようされるなど、まさに国民的大スターでした。
今の日本でいうと、イチロー選手や羽生結弦選手のような存在でしょうか?
当時のアメリカでは、テレビで見ない日はない!といっても過言ではないほどの活躍ぶりだったそうです。
引退後も高級住宅街に住み、悠々自適な生活を送っていたO.J.でしたが1994年、彼の元妻とその恋人が何者かに刺殺されるという事件をきっかけに、彼の人生は一変します。
- 殺害現場がO.J.宅のすぐ近くだった
- 被害者の血液がO.J.宅や車に付着していた
- 元妻はO.J.からのDVを警察に何度も訴えていた
といった状況証拠が揃っていたことから、O.J.は逮捕されます。
その後約1年にも渡って繰り広げられた激闘の裁判が、このドラマの醍醐味。
検察は「これほど余裕で勝てる裁判はない」とタカをくくっていましたが、O.J.があまりにも有名人であり、全国民の関心事となったことで、裁判は思わぬ方向に動いてしまうのです。
黒人vs.白人の代理戦争の様相に
最近でも、白人警官が丸腰の黒人を射殺するというニュースが頻繁に聞こえてくるほどですから、当時のアメリカではそんなことが日常茶飯事に行われていました。
奇しくも、O.J.事件の2年前にも、白人警官による黒人射殺事件が大きな社会問題となり、暴動を巻き起こしたばかりでした。
そんなこともあって、警察に対する国民の評価や信頼が失墜している最中に発生したO.J.事件。多くの国民(特に黒人)が、『O.J.は黒人を理由に犯人に仕立て上げられた』と感じてしまったのも無理はありません。
担当検察官が白人女性だったこともあって、この事件はO.J.の裁判というよりも、黒人vs.白人の代理戦争の様相を呈してきます。
人種間のこいった問題は、日本で目にすることは少ないので、「アメリカの裁判は大変だなあ」と感じさせられました。
国民参加型裁判の面白さ!
日本の刑事裁判では、事前に質問内容や答弁内容が打ち合わせされた状態で始まるため、ドラマのように「弁護側が突きつけた驚きの証拠で検察は大慌て!形勢が大逆転!!」といったことはめったに起こらないのですが、アメリカの刑事裁判はガチンコ勝負!
弁護側は検察の裏をかき、あの手この手で大逆転を狙ってきます。
ドラマ以上にドラマチックな展開となる裁判の様子は、本当に面白いです。
さらに、アメリカでは一般から選ばれた陪審員が有罪or無罪を決定します。
驚くことに、この決定に裁判官は一切ノータッチなんです!
(日本の裁判員裁判では、裁判官と裁判員で話し合いをするというスタイルが取られているはずです。それでも裁判員にかかるプレッシャーは相当なものだと想像できますが、有罪or無罪の判断を一般人だけに任せてしまうとは…恐るべしアメリカの裁判制度…。)
つまり、法律家不在で評決が話し合われるため、陪審員の判断は理屈だけでなく、感情にも大いに左右されやすくなります。
陪審員たちの「O.J.は国民の誇り、黒人の誇り」という思いは、DNAや動機、アリバイといった鉄壁に思える物証を、簡単に打ち砕く可能性もあり得るのです。
山のような物証を積み上げる検察と、感情に訴える弁護側の戦いは、国民参加型の裁判ならでは。
日本のリーガルドラマにはない面白さが感じられます。
映画並みのそっくりキャスト
実はこのドラマ、ラストエピソードのエンドロールで、登場人物のご本人写真と、その人物の現在の様子が紹介されるシーンがあります。
なんと驚いたことに、どのキャストも双子かと見間違えてしまうほど、ご本人さんにそっくりなんです!
よくもまあ、こんな似た俳優を見つけてこれたもんだと関心してしまいます。
さすがは俳優層の厚いアメリカの成せる技という感じがします。
先日、メイクアップアーティストの辻一弘さんが、日本人として初めて米アカデミー賞に輝いたことが世間を沸かせましたが、映画であれば特殊メイクをしてでも本人そっくりに仕上げるのは納得できますが、ドラマにここまでの“そっくりさ”を求めるとは。
「めっちゃ似てるやん!」という驚きは、ぜひ最後のお楽しみにしてください。
豪華キャストも見逃せない
もちろん、そっくりなだけでなく、豪華なキャストも登場しています。
「サタデーナイトフィーバー」への出演で知られるジョン・トラボルタや

「フレンズ」のロス役でお馴染みのデヴィッド・シュワイマーなどが出演しています。

もちろん彼らも、ご本人さんに超そっくりです。
ちなみに、シーズン2のヴェルサーチ殺害事件には、ペネロペ・クルスが、ジャンニ・ヴェルサーチの妹ドナテラ役でレギュラー出演しています。
見れるのはNetflixまたはAmazonプライム
「アメリカン・クライム・ストーリー」は、Netflixで観られるほか、Amazonプライム会員なら1シーズン1,400円でレンタルして視聴することもできます。(1シーズン10話/レンタル期間は30日)
続編もかなり楽しみなこのドラマ。
ノンフィクションならではの“背筋がザワっとする感じ”をぜひ味わってみてください。
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