治療を断念する夫婦もいるほど、高額な費用がかかる不妊治療
今や5組に1組の夫婦が不妊に悩む時代と言われ、20代の若い夫婦でも10組に1組の割合で不妊に陥っているという調査結果もあります。そんな夫婦にとって不妊治療は、子供を授かりたいという願いを叶える頼みの綱であります。
さらにその中でも、最後の砦ともいうべき治療が高度生殖補助医療と言われる「体外受精」や「顕微受精」です。しかし、これらの治療を行う際、その治療に関わる医療行為や薬などの全てが健康保険適応外となり、全額自己負担を強いられるという状況にあります。
投薬から採卵、そして受精卵の移植と一連の治療を行うと、病院や使用する薬剤によっても大きく変動しますが、40万円から100万円程かかるのが相場と言われています。
今春解禁された不妊治療保険
現在、これらの高度生殖補助医療を受けると、最大で30万円までの補助金が国から支給される制度がありますが、日本の少子化は止まらず、ついには人口減少という危機的状況が幕を開けてしまいました。
そこで少子化に歯止めをかけるため、金融庁が解禁の指示を出したのが「不妊治療保険」です。これは、民間の医療保険会社にて加入するもので、多くは医療保険や生命保険など、既存の保険商品にオプションとして加入する形になるのでないか、と言われています。
不妊治療保険に期待されること
今でも高度生殖補助医療を受けた際は最大30万円の助成金が国から支給されますが、これは満足と言える額には程遠いのが現実です。30万円が支給されるのは最初の1回のみで、その後は最大でも15万円、治療内容によっては7万5千円へと減額されます。
また、助成金を受け取れるのは妻の年齢が40歳までの夫婦で通算6回まで。妻の年齢が40歳〜43歳では通算3回までで、妻が44歳を超えた場合助成金は支給されません。
さらに、所得制限も厳しく、夫婦合算所得が730万円以下と決められています(所得制限の上限を廃止・または独自に変更している自治体もあります)。これでは、共働き夫婦の場合、助成金支給対象外になってしまう可能性が高くなります。
そこで、不妊治療保険に期待されることとしては、これら国の助成金ではカバーできない範囲への対応が挙げられます。医療保険加入者が対象となれば、所得制限の問題は解消されると思いますし、支給金額や回数も、国の助成金以上の充実が図られれば、この保険商品によって助けられる夫婦は多くなるでしょう。
しかし、フツフツと湧き上がる疑問の声
医療保険というと、基本的に健康な人しか加入できないのが大前提です。わざわざ不妊になる可能性があるかの検査をし、クリアしなければ加入できないのでしょうか。女性の不妊の可能性の有無を確かめるには、生理周期に合わせて数回の血液検査等を行う必要があり、さらには子宮鏡検査や子宮卵管造影検査など大掛かりな検査もあるため、検査には約1ヶ月間かかり、費用も数万円かかります。健康診断とはまるで違う、大掛かりな検査になります。
また、現在不妊治療を行っていない人を加入対象とするのであれば、今現在、不妊治療を行っている人たちには何も手を差し伸べることにはならない。ということになり、果たして少子化の対策繋がるのか、との意見がネット上には多く聞こえてきます。
私みたいに子宮二つに割れてるとか、分かってたら入れませんよねぇ。子宮筋腫でお悩みの方も多いから、適用されるとよいですね。 — 不妊治療保険、4月解禁=金融庁発表 (時事通信社 – 03月25日 19:01) https://t.co/RD5YUIkAX9
— たの丼 (@tanodoon) 2016年3月25日
不妊治療保険、4月解禁=金融庁発表 (時事通信社 – 03月25日 19:01) https://t.co/zhpj0RTIek
今治療頑張っている人達への待遇もっとどうにかしてあげることが先だと思う….
— ちびぇり (@chibieri1217) 2016年3月25日
15年前あったら入ってたな。10年前あったら使ったかも。でも保険会社の保険か。本気で子ども増やすなら健康保険に組み込まないと。ダウンとかの確率あがる問題はあるから30~35位の人に重点支給で
不妊治療保険、4月解禁=金融庁発表
https://t.co/K58RdsENXX
— いっしー@いんちきライター (@isshyisshy) 2016年3月25日
不妊治療保険、4月解禁=金融庁発表(時事通信) – Yahoo!ニュース https://t.co/siyheKdNhR
誰しも他人事ではないよねえ。
でも保険商品だと入れない人もいるんだろうなぁ(´・ω・`)
— まいまい@牧場主 (@babyishbunny) 2016年3月25日
不妊治療保険、4月解禁=金融庁発表 (時事通信社 – 03月25日 19:01) https://t.co/8ozjV1sftP
今治療中の人って入れるのかしら?
あと治療中って生命保険入る時保障が制限されるんでこれもどうにかならないかなぁ。
(^_^;)
— かめやま☆なごみ探偵 (@kameyuki0721) 2016年3月25日
不妊治療保険は果たして、少子化対策に効果を示すのか
不妊治療保険がこれから結婚や子作りを考えている人たちに向けた保険商品だとして、果たして自らの”不妊”を疑って加入する人がどのくらいいるのでしょうか。”不妊”というものは、遺伝するものではありませんし、年齢も関係ありません(若い人にも不妊で悩む夫婦は大勢います)。しかも、周りが順調に妊娠・出産している人たちばかりだと余計に「まだ大丈夫!」と自分の体に自信をもつものです。
みんな、子作りを開始して初めて気付くんです。「あれ?なかなか出来ないな・・・」と。
国が少子化対策になんらかの手を打たねば、と必死になっているのは感じますし、この保険商品解禁によって、助かる夫婦も多く出てくるでしょう。しかし、今治療を行っている患者を含め、全員がお金の心配なく治療に専念できる環境が整えば言うことなしなのですが・・・それにはまだまだ時間がかかりそうですね。
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