不妊症の約半数は男性側に原因がある「男性不妊」
不妊症というと女性が原因、と思われがちですが実は原因の約半数は男性側にあると言われています。
女性は生理不順や基礎体温の乱れ、生理痛の有無など体調の変化に気づくチャンスが多いですが(不妊の原因全てに自覚症状があるわけではありません。)、男性にはそれがないので「もしかしたら?」と自分を疑う人が少ないのが現実です。
女性が何年も不妊クリニックに通っていたのに授かれず、男性の検査をしたら実は原因は男性側だったと気づくケースも。これでは治療に費やした時間とお金が勿体無いですよね。
目では見えない男性不妊
男性不妊としてよくある症例としては精子を作る機能が低下したことによる造精機能障害と呼ばれるタイプです。
・無精子症(精液中に精子が1個もない)
・乏欠精子症(精子の数が少ない)
・精子無力症(精子の動きが悪い)
これらは精液はきちんと出ているのに、その中に含まれる精子に問題があるケースなのでパッと見では気づくことができません。
こないだ精液検査ってのをやったんだ。 結果を見ながら医者が「これは精子無力症と言って、動かない精子が多いんです」って言いやがった。 ちょっと雰囲気が重くなったんで俺がなんとかしなきゃと思い 「まさに精子が静止してるんですね」 と言ったら、医者も横にいた嫁も固まってた。
— ねたbot (@tweetmagic7) 2016年3月8日
今日は男性不妊外来行って来ました!精液検査をしたら初めて運動率が正常値になってました!でも数がやはり少なすぎるので、血液検査をして結果は1ヶ月後。男性不妊外来は予約がいっぱいで1ヶ月後じゃないと予約取れませんでした💦血液検査の結果でホルモンの薬を処方され精子の数を増やすようです。
— 麦チョコ@妊活中 (@mugicyoko27) 2016年5月28日
生活習慣のせいだけじゃない、先天性の男性不妊もある
一般的に、精子に悪影響を及ぼす原因として挙げられるのは「年齢・肥満・酒・タバコ・ストレス・糖尿病」などですが、じゃあ自分は健康的な生活を送っているら大丈夫!とは思わないでください。
男性不妊には、生まれつきや子供の頃に高熱を出したことがきっかけで知らないうちに男性不妊を患っていたり、精索(睾丸の後ろにある副睾丸から伸びている精管と血管が一束になったもの)の静脈にコブができてしまい陰嚢内の温度が上昇、精子の質悪化を招くケースも多くあります。
検査は簡単
女性の不妊症検査は、生理周期に合わせて数回血液検査をしたり、子宮に造影剤を注入してレントゲン撮影をする子宮卵管造影検査など、頻繁な通院が必要で、費用もそれなりにかかり、さらに痛みを伴う検査が多いのに対し、男性不妊の検査は精液検査1回のみ。家や病院の専用ルームで射精を行い、専用カップに保存して病院に提出します。
恥ずかしい、という感情を除けば痛みや苦痛もなく検査を受けることができます。これらの検査は不妊外来のある婦人科や泌尿器科で行うことができます。
不妊治療は夫婦の共同作業。男性も率先して協力を
不妊クリニックに通っている人の話を聞くと、「俺は大丈夫だから」と検査を拒否する旦那さんはまだまだ多いのが現実です。
しかし、男性不妊は自覚症状が無いので検査をしなければ異常が見つからない隠れた病です。女性が不妊クリニックデビューするときはぜひ、旦那さんも積極的に協力してあげてください。
不妊治療はゴールの見えないマラソンコースとよく例えられます。走っても走っても終わりが見えないと、心も体も疲れてしまって走ること自体を嫌になってしまったり、やめてしまいたくなったりします。ですが、不妊治療は”妊娠”というゴールを描いてひたすら走らなければならない過酷なもの。そんな時に、男性の協力があるのとないのでは女性の心的ストレスはだいぶ違ってきます。
「夫婦の共同作業」だと思って、お二人で治療に取り組んでください。
芸能人も精液検査している
ダイヤモンド☆ユカイさん
無精子症により、長年不妊治療を受けていたと告白しています。治療の甲斐もあって、現在は女の子と双子の男の子の3児のパパ。著書「タネナシ」にて、自身の無精子症を告白されています。
鈴木おさむさん(放送作家)
一昨年の春、奥さんの大島美幸さんが妊活休業を発表した際は世間に大変な衝撃を与えましたが、その頃鈴木さんはブログで「精液検査行ってきた」と綴られていました。そのさらりとした告白に、妊活中の女性からは「かっこいい」と賞賛の声が上がりました。その後も、ブログでは精液検査の大切さを何度も書かれています。
昨年夏に晴れて長男が誕生し、現在は1年間の育児休暇に入られています。
太田光さん(お笑い芸人)
自身がMCを務める番組で「病院で検査したらタネナシだった」と突然の告白、スタジオをざわつかせました。太田さんの奥さん太田光代さんは以前に不妊治療されていることを告白されていましたので、きっとその時に検査したのだと思います。
お二人には残念ながら子供はいませんが、昨年結婚25周年目にして結婚式を挙げるなどとても仲の良いお二人。
現在、太田光代さんは不妊に悩む夫婦を応援する活動を行っているNPO法人Fineの名誉会員として、不妊治療患者を支援する立場としてもご活躍中です。
早期発見できれば治療可能!助成金対象にもなったTESEとは
生活習慣などが原因の精子の質悪化が見られた場合は薬やサプリメントで改善を見込むことができますし、精索静脈瘤と診断された場合も静脈内のコブを取り除く手術によって改善が期待できます。
また、精子が1個も無い”無精子症”と診断されても手術で精巣から直接精子を取り出すことができます(TESE)。この場合、取り出した精子を顕微鏡下で卵子と受精させることで、妊娠できる可能性が生まれます。また、このTESEは国の不妊治療助成金支給範囲に新たに認定され、最大で15万円の助成金を受け取ることができます。
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