子供が初めて経験する”社会”である学校
日本人ならば誰もが経験する学校での生活。
わずか7歳で飛び込むその世界には、先生・上級生・下級生という”序列”が存在し、掃除や委員会などの”役割分担”があり、クラブ活動などに参加すれば”コミュニティ”に属することができます。

まさしく、社会の仕組みを数百人という規模に縮小させた学校という場で、我々は勉強や運動の他に、規律や序列、社会のルール、対人関係など様々なことを習得していきます。
ルールを守れない生徒の責任は周りにある?ある教師の対応が物議を醸す
学校には様々なタイプの子供たちが分け隔てなく集まっているわけですから、当然のように聞き分けが良くお利口さんな子供と、やんちゃで悪さばかりする子供が入り混じっています。
子供達にとっては、自分と違うタイプの人間と接する経験は、戸惑いもありますが柔軟性を磨くという点ではとても優れた方法でもある一方で、先生にとっては悩ましい事も多いのかもしれません…。
そんな中、とある小学生の娘を持つという親がツイートしたある先生の行動が、ネット上で物議を醸しています。

例のツイートによれば、娘さんの担任教師は真面目に掃除をしなかった生徒を見つけた際、周りにいた他の生徒も含めて反省文を書くように指示をしたのだそうです。
しかし、真面目に掃除をしていたという発信者の娘さんは「特に反省点はない」と自身の潔白を証明する文章を堂々と書いたのだそうです。掃除をサボっていたのは他の生徒であって、巻き添えを食らってしまった娘さんがこう主張するのも無理はありませんよね。
しかし、これを見た担任の先生はというと…
きょう娘11歳が担任に、掃除をサボった子らと連帯責任だ・自分の悪かった点を書けと言われたけど何も思い当たる点がなかったから「わたしはきちんと掃除をしていた、自分に反省点はない」と書いたら「あなたには欠点がないんですね」と言われ文を黒板に張り出されたと。それってレッドの総括じゃん
— こいあじ (@koiiajii) 2016年11月1日
なんと、「反省点はない」と書いた娘さんの文章を、”反省文の悪例”とでも言うかのように、黒板に張り出したというのです。
先生の対応に理不尽さを感じたという娘さんはひどく心を傷つけられた様子で、「翌日もまだ張り出されていたら…」と登校に嫌悪感を抱くようになってしまったのだそうです。
”連帯責任”のあり方について賛否両論

掃除をサボったという生徒の責任は、周りの生徒にあるとして全員に反省文を書かせたという先生。
大人の社会においても理不尽極まりない責任の押し付け方である”連帯責任”を、11歳の子供達に背負わせ、しかもあろうことかきちんと掃除をしていた子にまで目くじらを立てたかのような先生の対応。
真面目な生徒も不真面目な生徒も、一緒くたに”連帯責任”で処理してしまった先生の対応には賛否の声が寄せられています。
@koiiajii フォロー外から失礼します。常々連帯責任と両成敗は日本の小学校の最悪な点だし真の行為責任を問う姿勢を奪う、と思って地道に毎々抗議にいっているのでお嬢様の行動には感心しました。結果はほんとに心が痛みますが、それは相手がおかしいし、応援しているとお伝えください。
— akikoTM257 (@koriari) 2016年11月2日
@koiiajii @shiotaro2011 先生がよく使うがあれは先生にとって都合のいい言葉でしかない。周りに迷惑かけて周りのやつにもそいつの行動を見張らせる役目と、やった本人にも周りから嫌な目で見られるので気をつけるようになるから。
— ひょーごん (@hyo_gon) 2016年11月2日
@koriari @koiiajii 教員の行ったことは行き過ぎる面があるとは言え、自分さえ良ければ周りが好き勝手するのを見て見ぬふりをするのは集団で生活する上では良くない
連帯責任とは集団で困っている人や悪い事をしている人などを見て見ぬふりをするからこそ問われる道徳的責任になる
— Eila I Juutilainen (@ryusuke_june6) 2016年11月2日
先生の対応を問題視する声が多い中、きっと先生側には「悪いことをしている人を注意できる人間に育って欲しい」という意図があってのものだったのだろうと、先生の行動に理解を示す声も寄せられるなど、まさに賛否が真っ二つといった状況になっています。
忙しすぎる先生の労働環境が原因の一端?
同じように「子供のころ先生に濡れ衣を着せられた」「理不尽な連帯責任を押し付けられたことがある」という経験がある人からの共感の声も多数寄せられたこのツイートですが、実はその後、発信者自身が、問題を起こす生徒の責任を連帯責任にしてしまうしかない程の先生の忙しさにも注目し、コメントを寄せています。

@Luminous_m 私もそう感じました。ほんと先生も多忙で大変なんですよ見てると。それは重々伝わるし頭が下がる日々なんだけど、今日のあれはヒステリックだなぁと感じました… 親がフォローして励ますしかないっすね。なんか、お声掛けありがとうございます。ありがたいです
— こいあじ (@koiiajii) 2016年11月1日
世界の中でも最も忙しいと言われている日本の先生たち。授業時間は他国とさほど変わらないにも関わらず、授業以外の課外活動や事務作業などに莫大な時間を割かざるを得ない状況に置かれていることが近年の調査で分かっています。
そういった雑務に追われる忙しさの中にあって、生徒一人一人に目を配った教育というものが難しくなっている実態を感じずにはいられません。
教員数の削減が提案される一方で、教育の質の確保が課題に
今回のツイートを見て、先生1人に対する生徒の数のアンバランスさを感じた人も多かったはずです。
しかし、奇しくも先日10月28日には、少子化を受けて今後7年間で教職員数を1万4000人削減するという案を財務省が提出し、教育の質向上を掲げている文部科学省と真っ向から対立しているというニュースが報じられたばかり。
学校は、親に代わって勉強だけでなく、心の成長も担う大事な場所なだけに、子供を見守れる適正な数の教員配置と、教育に専念できるような先生の労働環境の向上が実現されることを願うばかりです。
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