今年の4月に57歳という若さで突然この世を去ったアメリカの伝説的ミュージシャン、プリンス。

同じく1958年生まれのマイケル・ジャクソン、マドンナと肩を並べる人気で、アメリカ近代ミュージックの歴史を築いてきた一人です。
そんな彼の突然の死に、世界中のファンが涙を流しました。
アメリカのみならず、日本の有名人たちも訃報に胸を痛めた
【スガシカオさん】
プリンスが生きていれば、今日で58歳。
残念ながら彼はもう年はとらないけれど・・・。
おれは10代の頃から、ずっと彼の背中を追いかけ続けた。アーティストになってからも、音楽制作のスタイル、新しいメディアへの対応、本質的なファンクネス、すべてプリンスを見習って習得した。出典 ameblo.jp
【ダイヤモンド☆ユカイさん】
今日、プリンスの訃報を聞き、
ショックを受ける。パープルレインで一斉を風靡する前
からずっと注目してた。東京ドームに、JBのサックスで
有名なメシオパーカーを従えての
LIVEに行った時に、
往年とは違う地味な格好で「俺は、今まで派手な演出をして
きたけど、本当は、リアルな音楽が
好きなんだ。本物の音楽が好きなんだ‼️」と言ってたあの瞬間を思い出した。プリンスよ永遠に。出典 ameblo.jp
【平子理沙さん】
また一人、天才が亡くなり、
寂しい世の中になりました。
小学生の頃から大好きだった
プリンス、あなたの音楽は
永遠に生き続けます。出典 ameblo.jp
プリンスの死因が判明!そこにはアメリカの闇が色濃く映し出されていた
90年代にHIVに感染し、その治療を拒んでいたというプリンス。
ただでさえ小柄な体型が、死の直前はさらに痩せ細っていたという報道から、当初は「エイズ発症」や「インフルエンザ感染」が死因ではないか、と言われていました。
しかし、ミネソタ州の検視局が発表した死因は【鎮痛剤「フェンタニル」の過剰摂取】というもの。なんとこのフェンタニルは違法薬物ではなく、医師により処方される”処方薬”なんです。

アメリカで蔓延する”処方薬への依存症”
実はこのフェンタニルは麻薬性の鎮静剤。日本で有名な麻薬性の薬といえば「モルヒネ」が挙げられます。
しかし日本では法律で厳しく使用目的が制限されているので、がん患者など、一部の大変辛い痛みを抱える患者さんにしか処方されません。
一方、アメリカでは麻薬成分を含む薬への規制が日本よりも緩いため、鎮静剤のほか、注意欠陥・多動性障害の治療に用いられる薬にも、麻薬成分を含むものが多く存在します。
もちろん、これらは用法・用量を守れば劇的な効果をもたらす素晴らしい薬ですが、多量に摂取すると覚せい剤を用いているのと同じことになるのは言うまでもありません。

そのため、痛みを抑える目的で使い始めた鎮静剤にいつしか依存してしまい、1日に何十錠も服用するような重度の依存症になってしまったり、子供の注意欠陥障害のための薬を飲んで抜けられなくなってしまう親が続出したりという事態が全米で発生してしまっているのです。
またこれは大人だけの問題ではありません。これらの薬は誰でも手に入れることができるので、「勉強に集中したい」といった理由で手を出してしまう未成年者がいるのも事実なのです。
なんと今アメリカでは、処方薬の多量摂取による死者が、コカインとヘロインによる死亡者の合計よりも多いという異常事態にあります。
なぜ処方薬の乱用が無くならないのか

医師や薬剤師にとって、よく診察に来てくれたり、薬を買ってくれる人は格好の”お客さん”なので、依存症に陥っている患者と知っていても、処方箋を書く闇医者が後を絶たなかったり、お金で薬を差し出す薬局が多く存在してしまっています。
また、乱用に使われる薬はヒット商品になるので、規制や自粛によってこの売り上げを手放したくないという、企業側の本音も隠されています。
プリンスの死は、アメリカを変えることができるのか

覚えているでしょうか?あのマイケル・ジャクソンの死因は睡眠薬として常用していた麻酔薬の多量投与によるものでした(後に麻酔を投与した医師は過失致死罪で有罪判決を下されています)。
奇しくもアメリカの音楽に大きな影響を与えた2大スターが、同じ”薬物”というものによってこの世を去ってしまったことになります。
アメリカでは近年、インターネットでの薬販売が禁止されるなどの動きが出だしていますが、まだまだ処方薬依存の問題を解決するには至っていません。
プリンスの死を無駄にせず、これをきっかけにアメリカの処方薬を取り巻く状況が変わってくれることを願っています。
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