今月7日に開幕した、「第98回全国高校野球選手権大会」。
初日に行われた1回戦の第三試合で、激闘の末に惜しくも盛岡大学附属高校(岩手)に8−6で敗れた、福岡県代表の九州国際大学附属高校のベンチに、ある1枚の写真が置かれていたことをご存知でしょうか。

そこには福岡大会で1回戦敗退したチームの写真が・・・
九州国際大学附属高校のベンチに置かれていたのは、ベンチ入りできなかったチームメイトの写真でも、家族の写真でも、友人の写真でもなく、なんと地元の福岡県大会で一回戦敗退したチームの写真。
なぜ、そんなものがベンチに持ち込まれていたのかというと・・・
球児から球児へと、繋がれた思い・・・
九州大学付属高校が持ち込んだ写真に写っていたのは、古賀竟成館高校のチーム写真。
写真の中央に写っているのは、3年生マネージャーの舟木あみさんです。

実は、昨年の夏から小児がんに侵されていた彼女。
次第に学校も休みがちになり、抗がん剤治療のために入退院を繰り返すようになっていったそうです。
病院から応援し続けていた舟木さん
辛い闘病生活の最中も、常にチームメイトのことを忘れなかった舟木さん。
彼女のツイートからは、病院から球児たちにエールを送り続けた様子が伝わってきます。
竟成館野球部おめでとう⚾︎💗💜
みんな頑張ったね!
1つ1つの試合を大切に。
野球できることに感謝して。
次も頑張ってね😊💗💜
全力応援しとるけん୧⍢⃝︎୨⚑︎゛ https://t.co/5efQEpNMx3
— ⓐⓜⓘ❥︎・• (@love_0730as) 2016年4月16日
早く治ってほしい
なにもできんわ
部活行けんのが本当辛すぎる、さいあくや
— ⓐⓜⓘ❥︎・• (@love_0730as) 2015年8月7日
あ〜部活行きたい
夏大は、スコア書けるんかいな
毎日毎日部活が楽しみやったのにさ
なんで行けんくなるん
一年生大会は、2年みんなで応援したかったし
毎日みんなの練習姿みて、大会とか練習試合で、どれだけ成長したか見たかった
1番近くでみたかった
少しでも早く復帰する。
— ⓐⓜⓘ❥︎・• (@love_0730as) 2015年10月5日
竟成館頑張れ!⚾︎
病院から全力応援しとるけん😆✌🏻️✨
みんななら絶対勝てる😉💥⚡️💥⚡️ https://t.co/peUD6S7icl
— ⓐⓜⓘ❥︎・• (@love_0730as) 2016年4月15日
いつでもマネージャーとして復帰できるように、病室でプロ野球観戦をしながらスコアを付けるという練習を欠かさなかったそうです。
しかし、その思いは届かなかった・・・
部活に行きたい・・・、その思いは儚くも届かず、今年の5月に17歳で天国へと旅立った舟木さん。
チームメイトたちが見舞いに駆けつけた、3日後のことだったそうです。
夏の大会ベンチでスコア書くために
病院でホークスの試合をスコア練習しよったとかしらんやったな
甲子園いくけん
その時はスコア頼んだよ
17年間おつかれさま pic.twitter.com/OV48cZq5gZ
— ともひろ (@tomohiro11224) 2016年5月30日
その日から、部員の心は一つに。「あみを甲子園に連れて行こう!」
志半ばでその生涯を閉じてしまった舟木さんの遺志を継ぎ、必ず甲子園に行こうと誓い合ったチームメイトたち。
天国から見守る舟木さんとともに、全員野球で福岡県大会に挑みました。
いよいよ夏の大会。
全員野球で勝ち進んで絶対あみを甲子園に連れて行こう!
応援よろしくお願いします! pic.twitter.com/uTeuhzIx1s
— ともひろ (@tomohiro11224) 2016年7月9日
明日はついに1回戦!相手は光稜
2年半あみと一緒にやってきたことを全力でぶつけよう!
全校生徒の皆さんも暑いと思うけど、応援お願いします!
「誰かの為に戦う奴らは強い」 pic.twitter.com/nU2RPeHea3
— 太田 亮 (@ohta0427) 2016年7月9日
明日はいよいよ初戦。
あみあわせて89人みんなで戦おう。
生徒も暑いと思うけど応援よろしくお願いします!!
絶対勝とう。#古賀竟成館#vs光陵#リベンジ pic.twitter.com/kAa7zTDim9
— 西田こうき (@fcondor07kouki) 2016年7月9日
しかし、結果は初戦敗退・・・

残念ながら、初戦で敗れ甲子園へ行くことは叶わなかった古賀竟成館ナイン。
しかし、「あみだけは甲子園に連れて行ってあげたい・・・」と、対戦相手の高校にベンチに飾っていた舟木さんの写真を手渡したチームメイトたち。
すると、そこからバトンリレーのように舟木さんの写真は勝利チームへと受け継がれ、最終的に舟木さんの写真は福岡県代表となる九州国際大学付属高校へと渡ったのです!
ついに、甲子園に連れて行きたいという思いが実現!
福岡県代表となった九州国際大学の永岡主将は、「自分たちは敗れた学校の思いを甲子園に届ける使命がある」と、古賀竟成館高校の写真をベンチに持ち込むことを決意。
見事、福岡県の球児たちの思いが一つに繋がり、舟木さんを甲子園に連れて行くという夢が現実となりました。

チームメイトを思いやる球児たちに涙
まるで映画のような感動ストーリーを生んだ、古賀竟成館の球児たち。
野球を愛し、チームメイトを愛する彼らの純粋な気持ちが通じ、夢の舞台へと行くことができた舟木さんは、きっと天国で喜びの声をあげていることでしょう。
熱い戦いの裏にあった、球児たちの熱い思いには、胸を打たれました。
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