仕事をしながら妊活をするということ
6組に1組が不妊に悩む時代と言われる昨今。共働きも増え、妊活と仕事という2つのプレッシャーを背負う夫婦も多く存在します。
なぜ妊活と仕事との両立が困難なのかというと、排卵日に夫婦生活をもつタイミング法であっても、医師による指導を受ける場合は月に数回通院しなければならず、しかも生理周期や排卵日によって通院日が決まるため、通院日を選ぶことができないのです。
さらに、取り出した卵子と精子を授精させ子宮に戻す体外受精や顕微授精の場合、通院日はさらに増え注射のために毎日通院が必要になることもあります。
しかし、不妊治療には高額な治療費がかかるため、治療費のために仕事を辞めるわけにもいかず、なんとか仕事をやりくりしなければいけないという厳しい現実に突き当たっている人も少なくありません。
妊活と仕事の両立に悩む多くの声
旦那さん明日頑張ってくれそう!あとは私が会社に突然の午前休……といわなきゃなんだけど……直属のお世話になる上司には妊活カミングアウトすべきかな……悩む……
— みーこ@妊活中 (@hime_honey666) 2016年4月27日
今後の妊活の悩み、一度流産したから無事産めるかの不安、これに会社での昇進の悩みがあって、他のみんなと同じ仕事をこなさないといけないと思うとパンクしそう
— あお@稽留流産→妊活中 (@1_ar11) 2016年2月27日
ブラックにほど近い会社で、洗脳されまいと甘言聞き流しながら働くのはもういやだ。
しかし妊活している身で正社員への転職は無理だ
— すーざん@ゆるゆるにんかつちう (@susan_ne2) 2016年4月10日
今の会社で、産休&育休をとって復帰するつもりで、住宅ローンの返済を考えてた。ふたりで働けば問題なく返済できるし、仕事に復帰すればこどもの教育資金とかも不安に思わずに生活していけるつもりだった。家事と仕事と妊活すべて続けていくのがこんなに大変だと思わなかった。
— なっちゃん@妊活中 (@na3na2na7) 2016年4月1日
そもそもそんなに妊活のために会社休めないからさ。休職するとかやめるしかない現実が。
— キノピーヌ (@kinochandesuyo) 2016年2月18日
救世主現る!妊活を支援する企業が続々登場
前述のように、妊活していることを他人に受け入れてもらえるかを悩み、結局職場に言い出せないまま仕事と不妊治療の両立に苦しめられている女性が多くいる昨今、ついに社内制度によって社員の妊活を応援しようという企業が増えてきました。
・サイバーエージェント
女性社員も多いIT企業のサイバーエージェントは、女性のための新制度「マカロン・パッケージ」を導入しました。この制度により妊活休暇や専門医によるカウンセリングのほか、妊娠・出産し復帰した後も子供の行事ごとに休暇を取得したり、子供の看護のために在宅勤務が可能になったりと、より長く女性が働きやすい企業にする工夫が凝らされています。
また、医師によるカウンセリングは健康管理や体調不良に関する相談など、妊活目的以外の利用も可能としたことで、全女性社員を対象とした制度にすることに成功しました。
・ 三 菱 重 工
・パナソニック など
三菱重工やパナソニックでは、「チャイルド・プラン休暇」という制度を導入。不妊治療のために休暇が取得できる制度で、取得できる日数は企業によって違うものの、こういった制度自体を設けてくれているだけでも心強く感じる社員も多いはずです。
うちの会社はチャイルドプラン休暇という制度があって、医師のサインがあれば1子につき最長1年の休暇取得が可能。無給だけど、復帰後も同じポジションが保証されるというのは、本当にありがたいこと。
・オムロン
・花 王
・NEC
これら各社では不妊治療にかかる費用の一部を共済会から補填するという制度を導入しています。不妊治療の中でも、体外受精や顕微授精などは、一度に数十万円という高額な治療費がかかるため治療を断念する人も少なくありません。自由診療のため全額自己負担になってしまうこれらの治療に対して、少額であっても補助金が受け取れることはとてもありがたいことです。
紹介した企業以外にも、独自の制度で妊活を応援しようとしている企業が続々と登場してきています。
妊活が夫婦だけの問題ではなく、社会で支えていかなければならないという認識に変わってきていることの現れかもしれません。
妊活を社会全体で認め、支えていくことの必要性
妊活や不妊治療に対する偏見や誤解を持つ人は多く、「ヤればできる」とか「若い頃に遊びすぎて病気でももらったんじゃないか」、「すぐに妊娠する家系だから大丈夫」なんて根も葉もない、心ない言葉をかけられた経験がある人も多くいます。
最近でこそ、”卵子の老化”や”男性不妊”なんて言葉が知られるようになり、不妊に対する世間の目が変化しつつはありますが、不妊治療を受けていることを秘密にしている人もまだまだ多いです。そのため、上司や同僚への相談を高いハードルと捉え、周りに言い出せないまま妊活と仕事の両立に心も体もパンク状態になっている人が多く存在します。
企業が率先してこういった制度作りや風土作りをしていくことで、「不妊は恥ずかしい病気」といった偏見も減り、子を望む人を社会全体で支えていける世の中に変わっていくことが期待されます。
この記事をSNSでシェア
この記事が気に入ったら いいね!しよう
最新記事をお届けします!
シェアランキング
新着記事